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文月№6

 

今年もそろそろ楽しい夏休みですね。海や山、川等にお出かけになる事もあるかと思います。今から楽しみになさっている方も多いかと思います。

当方の夏の思い出と言えば、父方の田舎の海での思い出と言えます。山陰の海でしたので、波も荒く、昔ながらの風習が残っていて、今とは随分と違っていました。

まず、遊泳させてもらえるのは、保護者代表の誰かが同伴し、腰には麻ひもの様なもので命綱の様に繋がれ、10分毎に浜に引き揚げられる様な、決して「カッコイイ!」海水浴とはいかなかった事をよく覚えております。そして、旧盆にあたる8月15日前後には、けっして海に入ることも許されませんでした。

この地方の昔からの、言い伝えで、お盆の時期に海に入ると足を引っ張られると言って、勝手には、海に入る事は出来ませんでした。ですので東京に帰郷してから、8月に入ってから海に行きたいと言っても、父は絶対に許可してくれず、残念に思った事を覚えています。8月に入ると土用波もクラゲも危険と言って海に行くことを、許してくれなかったのを思い出します。若い方に言ったらそれこそ「笑われる」様なお話ですが、当方の記憶には、未だにしっかりと残っていて、なんとなく8月になると、海に入る事に抵抗が有ります。

今でも、しっかりと記憶している出来事に、『離岸流』の怖さが有ります。

 

『離岸流』とは、海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れのことだそうです。まだ幼かった当方が、波打ち際のすぐそばで父に呼ばれ海に入ったところ、幾ら力を振り絞っても直ぐ目の前の砂浜には上がれず、距離にして、僅か1mも無いのに、砂浜に届くどころか、逆に沖に連れていかれそうになった事を鮮明に覚えています。そこだけが、まるで底なし沼の様に深くて足も立たず、体中に何かしらおもりの様な物を付けられている様に感じたことを、昨日のことの様に思い出します。

その後、父に「こういう時はまず逆わらずに、流れに乗ってある程度身を任せ、真横に泳いで潮の流れをかわしなさい。」と教わりました。勿論、当時はまだ『離岸流』なんて言葉も無い時代でしたが、貴重な体験をしたと思っています。

何十年も前のことですが、この時の父の教えは、今の『離岸流』対策とほぼ同じでした。今でもしっかりと身に付いて居ります。毎年、夏を迎えると、色々な水難事故を耳にしますが、是非、危険な事を避けながら、楽しい夏休みを送って頂きたいものです。

 

高田司法書士事務所

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